ブログ 92歳のつぶやき 好物
ブログ 92歳のつぶやき 好物
92歳の主人の父は、大の肉好きだ。
私「何が食べたいですか?」
父「寿司もいいけどステーキかな?」
あるいはハンバーグ、ギョーザ、うなぎ、マグロのトロ。
私がひそかに心の中で、”王子様”と呼ぶ理由はここにある。
私達夫婦が、好んで食べるアジ、サバなどの青背の魚の塩焼きに大根おろし・・・が食卓に並ぶと、いまいち反応が悪い。
「アジは、バターでカリカリに焼いてくれ」
と必ず言う。
野菜の煮物や、サラダは
「お前、本当は無理して食べてるんだろ?」
「いらない!オレは草食動物じゃないからな!」
私が仕事で忙しかった時に、冷凍食品やら練り物が夕食に並んだ。
「オレが金出してるのに、まずいモンばかり食わせやがって!」
と父がつぶやいた。
私は、疲れてる上にこの言葉!と、グッと心にきたが、
「この人の身になったら、そうだよな」と思い、
「すみません・・・」と小さな声であやまった。
すると父が、自分で言ってしまった事に、しまった!と感じたらしく、
「いや~、まずいからいいんだよな。美味しいモノとの差が出てくるからな~」
とわけのわからないフォローをした。
息子の嫁の私には、少々気を遣っている。
これが主人に対しては、許すことなく徹底的にやっつけにかかる。これは完全にSだ。
その昔、亡くなった主人の母に対しても、かなりのSだったらしい。
こういう人と義理の親子になるのも、何かの因縁なのだ。だからこれを乗り越えるためには、そういう人と暮らすには、こちらがMになるしかない。
それも、暗い心ではなく、前向きな、積極的なドMを目指す。
今日もこの家の中のバランスを保つために。