ブログ 好きな音楽 OK GoのHere It Goes Again
ブログ 好きな音楽 OK GoのHere It Goes Again
自分の立ち位置を知る人は強い。
OK Goは、自分達がMTVや、メジャーなラジオ局で注目されるようなバンドではないことを、良く知っている。
音楽は、多くの人に聞かれ成功したと言える。
CDを買っても、それが棚に置かれたままだったら、i Potに入れても、繰り返し聞かれなかったら、友人との話題に乗らなかったら、新しい誰かにその音は届かないのだ。
予算をかけられない、でもおもしろいモノを作りたい一心で、友人や家族の助けを借りて制作した、OK GoのホームビデオのPV, "Here It Goes Again"は、1千万回を超えるYou Tubeのクリックを得て、全米、ヨーロッパのコンサートは満員御礼、グラミー賞を獲得した。
PVの撮影場所を提供した、リーダーの姉は振り付けも担当。全員アザだらけになりながら、数ヶ月猛特訓を積んだ。
でもなぜランニングマシーンなのか。
なぜロックバンドが、この昭和的な振り付けなのか。
唯一カメラ目線で歌っているベースのティムは実は口パクで、本当に歌っているボーカルを含むあとの3人は、なぜあんなに真面目な表情なのか。
そこに彼らのスマートなアイディアがあった。
ヒップ・ホップではなく、ジャニーズのようなあの振り付けに、10代が飛びついた。
学園祭でOK Go、卒業パーティーや結婚式の余興にOK Goを踊る人達が増加し続け、中年層までがYou Tubeをクリックをし続けたのだ。そして彼らも同じような表情で踊っている。
大きなレコードレーベルは、プロモーションに莫大なお金をかけて魔法のようにスターを生み出す、そんな方法とは対極的だ。
あえて、ダウンサイジングした身の丈にあった世界。でもその中で力の限りを尽くしている気持ちって伝わってくるんだな。
楽しいことを多くの人とシェアしたいから、あえて大きなレコードレーベルを去り、インターネットの新しい世界に柔軟に乗って、更には毎回新しい人たちと新しい世界のPVを創る。
そのオープンな心のあり方は非常に興味深い。