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ブログ 93歳のつぶやき 人生の深さ

ブログ 93歳のつぶやき 人生の深さ

主人の父は93歳。

噂によると、主人の母が生きていたころは、気に入らないおかずは皿ごと投げ捨て、酒を飲んでは子供たちを起立させて軍歌を歌わせ、子供が歌詞を間違えれば怒鳴りちらしていたらしい。
妻と子供の態度が気に入らなければ、言葉と力を使って相手をこてんぱんに叩きのめす。

よく「誰々の逆鱗に触れる」という言葉があるが、龍の背中のたった一枚のウロコが逆についていて、そこに触れたら最後、龍は暴れまわる、という意味だそうだ。
しかし主人の父は、ほとんどのウロコが逆になっていたと考えられる。

自分でもなぜそうなってしまうのか、わからないのだろう。
背後にいる誰かにつき動かされるのか。
あるいは誰かの念(おも)いによって、そうなってしまうのか。

今は、私、嫁の前ではそんな行動には出ない。
しかし時々その本性が出る時がある。
私としては大事と思っていた生協のチラシが、もう過去のものとなり、いらないのに、まだ机の上に置いてあると、几帳面な父は非常に気になるらしく、なぜこんなものをためているのか、と明らかにご機嫌ナナメな聞き方をする。
そこで私も「ごめんなさい」と言えば良いのに、
「これは先週までのモノですから」などと、うやむやな言い訳をする。
すると、「だったら生協なんか止めてしまえっ!!!!」と突然大声。
相手が熱くなると、私は急激に感情が冷める。
黙って、そのチラシを捨てる。
一言も言わず。

こうやって相手との距離感を測ることも大切だろうと、ポジティブに思える日もある。
そうでない日はストレスだ。
なぜそんな事で・・・なぜそんな言い方・・・
と私の頭の中で、言葉が回る。

そんな父が最近大好きなドラマがある。
NHKの『夫婦善哉』だ。(『あまちゃん』ではない)
森山未來という俳優をベタ褒めだ。
「コイツは本当に上手いな~!!」と大声で私たちの賛同を求める。
私たちはボーっとしている。
森山未來は確かにデビューから途切れることなく、ずっと走り続けている若手俳優だ、くらいの感覚しかないからだ。
主人が聞いてみた。
「お父さん、この俳優のどんなところが上手いの?」
父は言った。「お前みたいな浅い人生を生きた奴には、この俳優の上手さはわからないだろうな~!!」

『夫婦善哉』の森山未來演じる維康(これやす)商店のぼん・柳吉(りゅうきち)は、強烈な個性で迷惑な存在。
そのひどさは、一緒に暮らした人でないとわからない。
だから父も強烈な人生に惹かれるのか。
内容の良し悪しは別問題として、強烈なことはつまり深いのだろうと感じる。
何事も起こらない方がいいに決まっている、と思っていた平和ボケの私の人生は、主人の父の人生に関わることによって、少しその川に水たまりくらいの窪みができたかな?

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