Arts and Crafts, Food and Styling, Tradition and Originality

ブログ 94歳のつぶやき はまぐりの恐怖

ブログ 94歳のつぶやき はまぐりの恐怖

主人の父は94歳。

12月になると、正月の準備は大丈夫か?と毎日チェックが入る。
私の心に緊張感が走る。

数年前の暮れの31日、正月用の金子家伝統のお吸い物用のはまぐりが、スーパーで売り切れ続出したのだ。気候のせいか、漁獲量が激減だったらしい。品薄でどこに行ってもなかった。
仕方ない。代わりに鯛でおすましを作ろうとしていたら、31日の夕方に主人の父が聞いてきた。
父 「はまぐりはあるんだろうな」
私 「いえ、今年はどこの魚屋さんにもないんですよ。だから・・・」と言いかけた途端、
父 「そんなはずはないだろう!はまぐりは絶対なかったらダメッ。今から東京に買いに行って来いっ!」
と怒鳴られたのだ。
私は目が点になり、気持ちを立て替えるのに時間がかかった。
主人が何件も探しまわり、やっと小さなはまぐりを探してきてくれた。
父はその他にも焼きかまぼこ、栗きんとん、黒豆は有るか?と必ず聞いてくる。
私 「はい、黒豆きんとん全部ありますよ」
父 「言っとくけど、黒豆と、きんとんは別々のものだよ」
心の中で「知ってるよそんなこと」とつっこみたいところだが、黙って「はい」。
正月に対する大正生まれの、しかも九州男子の厳しさと、しつこいこだわりは、のんびり育った私にとっては目の上のたんこぶを超えたストレスだが、変えてはいけない日本の伝統なのかもしれない。そう思うようにしよう。

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