Arts and Crafts, Food and Styling, Tradition and Originality

聖者たちの食卓

聖者たちの食卓

水をたたえた大きな池の中に浮かんでいる、黄金寺院。インドの北西部、パンジャーブ州アムリトサルにあるシク教徒の総本山だ。ベルギー人のフィリップ・ウィチュス、ヴァレリー・ベルト夫妻によるこの映画は、毎日ここのキッチンに届く大量の食糧と大勢の人々の動きを追っているドキュメンタリーだ。

およそ2,300㎏の小麦粉、600㎏の米、830㎏のレンズ豆、2,000㎏の野菜を300人以上のボランティアが調理し、10万人分の無料の食事を提供する。石板の上でチャパティを作るサリーの女性たち、それを鉄板で次々焼くターバンを巻いた男たち、涙をふきふき玉ねぎを切る男の子、それを定期的に集める人、大人がすっぽり隠れてしまうほどの大鍋を磨く人、ひたすら水を運ぶ人、並んで無料食堂に入れるのを待っている人にアルミの皿、ボウル、カトラリーを投げるように渡す人、人、人。この無償の労働により1度に黄金寺院に入れる5,000人、1日に10万人の食事を作り始めたのは500年前。当時のグル(指導者)が、宗教、性別、階級のすべてをとりはらい、神の前ではみんな平等、同じ床で同じ食事をすることを提唱した。インドはカースト制度が厳しいと聞くがここでは社会的にも精神的にも自由だ。そしてボランティアも違う宗教からの参加者だという。共通して守っているのは最初に足を浄め、靴を預けること、そして頭にターバンを巻くこと。持っていない人には布を貸し出している。全部人の手によるアナログな世界なのに、その動きに注目してほしい。料理の基本、段取りの鮮やかさに感動する、そして胸がいっぱいになる。ごはんが食べられない人のために一生懸命に無心で料理をし続ける、そういう意味で彼らは奉仕のエキスパートだ。今、このようなコロナウィルスが世界を攻撃している時、あの黄金寺院はどうしているのだろうと思う。

この「聖者たちの食卓」は2012年に公開された。渋谷や吉祥寺にある映画館UPLINKは、現在コロナ感染予防のために休館している。様々な世界観を教えてくれる映画たちは、このような小劇場でしか観ることができないが、現在ネットで映画を配給している。少しでも小劇場を支えられたらな、と思ったら、UPLINK公式サイトからUPLINK Cloudに入ってゆくとたくさん観たくなる映画が…。ふっと疲れた時に違う世界へ連れて行ってくれるのだ。

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