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ブログ 93歳のつぶやき 『ドクターX』

ブログ 93歳のつぶやき 『ドクターX』

主人の父は93歳。

協調性に欠け過ぎているから、デイホームサービスなどとても無理だ。
今日も私たちの留守中、ヘルパーさんに何か言ったらしい。
この2年ほど、ヘルパーさんは週に2回、1時間弱掃除をしてくれるのだが、父の頭の中では数年前の2時間という契約のまま記憶が止まっている。
「だからオレは強く言ってやったんだ。2時間の契約でハンコを押しているのに、1時間で帰ってしまうとは、どういう理由だってね。こっちの都合だって考えて欲しいよ・・・」
ヘルパーさんたちは、老人のそういった記憶違いや、まだらボケの状態に慣れているからきっと丸く収めてくれたに違いない。
今度会ったらお詫びを言わなければ。

そんな父にとっての親友はやっぱりテレビだけ。
最近の彼のアドレナリンが上がる番組は、“ドクターX“だ。
「おい、ドクターは何時からだ?」
「あと何分だ?」
と2時間前からそわそわし始める。
絶対に見逃したくない番組の一つ。
そのナレーションは――
「大学病院の医局は弱体化し、命のやりとりをする医療もついに弱肉強食の時代に突入した。その危機的な医療現場の穴埋めに現れたのがフリーランス、すなわち一匹狼のドクターである。
たとえばこの女。群れを嫌い、権威を嫌い、束縛を嫌い、専門医のライセンスとたたき上げのスキルだけが彼女の武器だ・・・」で始まる。
「お父さんにぴったりじゃん、この番組」と心の中で思う。
私は夕食の後片付けをしながら、音は聞いている、といってもどこの部屋にいてもボリュームが100という数字だから、耳鳴りがするほど良く聞こえる。
なのに、翌日もその翌日も、その週のストーリーを私に話してくれるのだ。
これはすごい脳の活性化かもしれないから、初めて聞くふりをして一緒に楽しい気持ちを盛り上げる。
毎週木曜日の9時からなのに、
「今日、ドクターある日?」と毎日聞くほどの大ファンだ。
「あードクターが毎日見れたらな~。せめて1日おきに見れたらな~」とつぶやいている。
もともと乱暴者で友達が少ない上、その友達がみんなこの世からいなくなってしまった超老人の脳を活性化させるのは、「私、失敗しないので」とか
「やられたら倍返しだ」的刺激なのだ。
来週で最終回を迎えるらしいからテレビ制作の方々、
よろしくお願いします!

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