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ブログ 93歳のつぶやき 会話  

ブログ 93歳のつぶやき 会話  

主人の父は93歳。
最近特に、話がかみ合わなくなってきた。
と、思うと急にシャープな会話をし始める。

ガス屋さんが点検の日取りのことで電話してきた時、
私たちは留守だったからお父さんが電話を取った。
何日の何時に来るのか、お父さんしか知らない。
数回にわたって、「いつ来るの?」と聞いてみた。
「ガス屋?4日の朝だよ」
と言ってみたり、
「ガス屋は4日の昼に来るってよ。ガス屋が来たら、水道管掘るんだろ?下水の工事だろ?そうなんだろッ!?」
とか。

私が隣の部屋に居て、1時間に1度くらい会話をしていたのに、
夜になると「昨日も今日も、めぐちゃんは出掛けて家にいないじゃないか!・・」とか、
主人が帰宅して、お父さんと少し会話をしてから2階に上がり、
1時間くらいして1階に下りてくると、
「一体全体、いつ帰って来たんだッ。だから出世しないんだ。あいつは・・・」
とか。

「明日は、今年一番の寒さらしいから、出掛けないで家にいなさい」と私に言う。
私「でも明日は仕事だから、行かないわけにはいかないんですよ」
父「寒さをなめちゃいけないよ~。絶対やめなさい。俺みたいな神経質な人間が言ってるんだからッ!」
と、テンション高く言われても何と答えてよいものか。

毎日お父さんと話していると、「ちょっと訳わかんない~」と言いたくなることばかり。
そんな時は心の中で
「徘徊するよりずっといい」
「トイレもお風呂も、まだ一人でできるからいい」
「訳わからないから、おもしろいのだ」
と自分に言い聞かす。

しかし一方、時代劇を見ていると、お父さんは別人のようにシャープになる。
NHKの大河・『黒田官兵衛』を見ながら、モコミチ扮する母里太兵衛が登場した途端、
「アッ!もり・たへいだッ!黒田節だッ!」
と叫んだ。
歴史ものは若い頃から大好きだったから、人名、場所、戦乱の名前はさっと出てくる。
好きなことは引き出しがパッと開く感じ。

『たけしの家庭の医学』によると、記憶をつかさどる脳の神経ネットワークは、加齢によってブツリブツリと切れるが、興味のある事や、楽しく学ぶ事、しかも人と関わる事、人を喜ばせる事で、新しく違うネットワーク回線を作り始めるそうだ。

その一例として番組では浅草寺の仲見世通りの商店主たちを取材。
彼らは高齢になってから、外国人観光客とのコミュニケーションのために英会話を積極的に勉強した結果、脳の神経ネットワークが活性化していることがわかった。
記憶力が素晴らしいのだ。

お父さんは昔、乱暴者だったから、ご近所でも有名で家族からも敬遠されていた。
自分以外の人とは、うまく距離感が持てなかった。

お父さんとの毎日の会話から、大事なことを教わった。
高齢になってからも記憶の引き出しがパッと開くように、人に喜んでもらえる行動をおこす、自分が楽しむ、そしてポジティブになるべきだ、ということだ。
お父さんが以前持つことができなかった家族との会話は、不思議でハイテンションなやりとりの中に、その距離を埋められつつある。

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